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新築建売住宅の購入検討「期間」はどのくらいかけるべきか?

郊外型の建売住宅の購入を検討されるような方は、ご家庭の自家用車を購入された経験があると思います。そのような方は、欲しい車種の絞り込みにどのくらいの時間や手間がかかるものなのか、正式な購入の手続をするために何回以上自動車ディーラーに行って商談をしないといけないのか、購入手続後に納車まで何か月かかるもののなのか…などのプロセスをよく理解しているので、希望の新車納車日から逆算した検討「期間」を設定してから、欲しい車を探し始めることが可能なのだと思います。では、建売住宅の場合はどうでしょうか?購入を決めるまでにどのくらいの検討「期間」を要するものなのか分かるでしょうか?想像するのは難しいと思います。そこで、本コラムでは新築建売購入がスムーズかつ無駄なく進められるように、分かりやすい購入検討「期間」の設定の仕方等を解説していきたいと思います。


ポイント1.先に入居希望「月」を決めるのが大事!

ポイント2.物件見学の開始は入居希望月の最低3か月前からにする

ポイント3.「探す→見る→判断する」のプロセスをまとめて一気に実施する

建売住宅は不動産なので、立地条件等はこの世にふたつとして同じものが存在しない特徴的な商品です。また、場所や地域にもよりますが、供給される戸数にも限界があります。なので、必ずしも時間をかけて探し続けたほうが良いものに出会えるとはかぎりません。それを踏まえて、上記の3つのポイントを軸に購入検討を進めていくことをお勧めします。

ポイント1.先に入居希望「月」を決めるのが大事!

建売住宅購入のために必要な検討事項の中で、最優先で決定すべきなのがこの入居希望「月」です。いつごろ新居に引っ越しをしたいのか、いつから新居で新生活を始めたいのか?これが決まらないとなかなか適切な購入検討「期間」が設定できません。ご結婚やご出産、お子様の学校入学・保育園の入園申込のタイミングですとか、勤務先での急な異動・転勤等が関連していることが多いのですが、「今年の5月まで!」「来年の10月ごろ!」くらいの感じで結構ですから、まずはご家族で話しあった上で「期間」のゴールを設定してみましょう。
ここで注意したいのが、年度末の繁忙期です。「3月」前後を入居希望月に設定するのは避けたほうがよいでしょう。ご存じのとおり、引越や物流業界の需給関係が逼迫する時期なので、余計なコストがかかりますし、ちょっとした内装オプション工事や補修を注文しても、職人さんの手が不足してしまう時期でもあるので、往々にして対応が遅れがちになります。地域特性もありますが、首都圏であれば暑くなり過ぎる前の6~7月、寒くなり過ぎる前の11月、この2シーズンがお勧めです。
さて、入居希望月が決まりましたら、その希望月に入居が可能な物件を探していきましょう。ネット広告等では、未完成の物件も「建売住宅」として完成物件と同じように広告掲載されていることがあるので、入居可能時期を必ず物件概要欄で確認してください。

ポイント2・物件見学の開始は入居希望月の最低3か月前からにする。

大まかにエリア(行政区・最寄駅など)を決めたうえで物件を探し、気になるものがあれば、いよいよ物件の見学を始めることになりますが、入居希望月が差し迫ったところで慌ててバタバタ見学をしにいくのはあまりお勧めしません。というのも、完成している建売住宅であっても、購入した後には諸手続が多々あり、例えば住宅ローンの手続とか、登記の申請書類作成であったり、エアコン等インテリアオプション工事の手配や、新調する家具の選定やオーダー、テレビやインターネット等の通信インフラ工事の手配を一斉に始めないといけません。
注意すべきは、通信インフラ工事業者の都合や段取りによっては、配線工事等が数週間待ちになることはよくあるということです。また、ソファやベッドなどの大型家具のうち、輸入や受注生産(オーダー)品となると、注文から船便で最低でも1か月以上先の納品になることが多々あります。せっかくの新居ですから、色々なものが全て揃ってから入居はしたいものです。急いで引っ越したはいいが、テレビが見れない、ソファがない…となるととても不便です。なので、物件の見学は入居希望月より3か月以上前から始めることをお勧めします。

ポイント3・「探す→見る→判断する」のプロセスをまとめて”一気に”実施する

建売購入のご経験がある方や、ご親族等に不動産取引に詳しい方がいらっしゃるのであれば良いのですが、物件購入の進め方について初めての方にお勧めしたいのは「探す→見る→判断する」の3つプロセスを、同時に多くの物件を比較検討しながら「一気に」行うという方法です。これが結果的に購入検討「期間」を無駄に長引かせないことにつながります。
①探す→希望のエリア内・価格帯の物件を全てもれなくピックアップする。②見る→その中で気になる物件を厳選して全てもれなく見学する。③判断する→見学した物件の中でベストの物件を選んで購入する。

よくある例としては、ひとつ良さそうな物件を見つけてはすぐに見学に行き、また他で見つけてはまた見に行き…というのを繰り返してしまうパターンです。これだと、「もっといい物件ががあるはずだ」「もう売れたけど、この前見学した物件のほうが良かった」というように、エンドレスの比較検討が続いてしまいかねずなかなか決断できなくなります。

そうならないためにも、物件を探すときは一度にまとめて後で悔いのないように徹底的に探すことだけに集中し、そしてその中のどれかを必ず買うという前提で、候補物件の見学をしにいったほうが物件を見る目(本気度)も全く異なってきますし、とても効率が良いです。ということで、探し始めから見学が終わるまでの検討「期間」としては、

●集中的に物件を探す(=1週間くらい)
●気になる物件に見学予約を入れて現地を見てくる(5~10物件=2~3週間くらい)
●中でも最も気になっている物件を再度見学する(2~3物件=1週間くらい)
●購入を決めた物件の諸条件の交渉等を行う(1週間くらい)

このくらいを目安にしてみてはいかがでしょうか。

最後に

以上のとおり、物件を探し始めた日から、見学のうえ購入物件を決めてから入居するまでは最低でも4か月、できれば5か月くらいを意識していれば、良いのではないかと思います。